「Withコロナ時代」に向けてヨガ、ピラティスを

2021.01.25 その他
ヨガインストラクター 山田次郎

ウェルビーイングクリニック駒沢公園 院長布施淳

新型コロナウイルス感染症が拡大するとともに、様々な情報が集まりその特徴も少しづつですがわかってきています。 例えば、以下もその特徴のうちの2つです。

① 基本は接触感染と飛沫感染だが、環境によっては空気感染に近い感染動態を示す可能性がある
咳やくしゃみ、発声などにより感染者から発せられたウイルスを含んだ小飛沫は通常2mも飛ばないうちに乾燥し感染性がなくなります(1)が、換気の悪い密閉空間ですと小飛沫はウイルスの感染性を保持したまま数分以上浮遊する可能性があります(2) 。湿度が高いと小飛沫は乾燥しづらいため、ウイルスの感染性の保持時間が更に長くなる可能性もあります。
いわゆる3密(換気の悪い密閉空間、多人数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)は、そのようなウイルス含有小飛沫が生成、浮遊しやすいため避けるように勧告されているわけです。

② 無症状(発熱なし、咳なし)の感染者が存在
クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号のPCR検査陽性者約100人を受け入れた自衛隊中央病院の報告(3)によるとその30%以上の人が全経過を通じて全くの無症状だったとのことです。新型コロナウイルスに感染しても全く症状がなく、しかしながら他者に感染させてしまうというリスクをこのウイルスは有しています。自分が感染していることに気づかずに行動してしまうことが、感染者急増の1つの要因です。自分が感染しているつもりで一人一人が行動することが必要と思います。
高齢者や持病のある人が感染し易かったり、重症化し易いことはわかっていますが、持病のない若い人にも重症化する人が少なからず存在することもわかってきました。比較的若い人の中でどのような人が無症状で、どのような人が症状が出現し、そして重症化するのかはまだよくわかっていません。

身体的な視点からですと、習慣的によく有酸素運動をしている人は風邪をひきにくい(ウイルス感染しにくい)(4)、あるいは肺炎死亡リスクが低い(5)という研究データがあります。
心理的な視点から見ると、心理的ストレスが低い人は風邪をひきにくい(ウイルス感染しにくい)(6)、またポジティブ感情が高い人も風邪をひきにくい(ウイルス感染しにくい)(7)とする研究があります。

これら身体的要素、心理的要素を併せ持ったエクササイズがヨガであり、ピラティスです。
ヨガ、ピラティスはもちろん有酸素運動の要素を有していますし、心を身体や呼吸に集中させ、心身を一体とするエクササイズでありマインドフルな瞑想的な要素を含みます。これにより、通常の運動(例えばジョギングなどの有酸素運動)に比し副交感神経活性が亢進し(8)、また脳への好影響を来し(9) 、心理的ストレス軽減、免疫力の向上につながることが示唆され(10)(11) 、ポジティブ感情も高まります(12)
ヨガやピラティスがウイルス感染予防になるとする直接的な研究は自分が知る限りありませんが、間接的にその効果を期待できる可能性があります。

「感染」と書きましたが、ウイルスに仮に「感染」しても、それが体内で増殖しずらかったり、症状に現れない、重症化しないと捉えた方が正確かかもしれません。

つまり、
・ウイルス→感染→ウイルス増殖→発症
ですが、ヨガ、ピラティスにより、
・ウイルス→感染→ウイルスが増殖しない、発症しない
あるいは、
・ウイルス→感染→ウイルスが増殖しても発症しない
となることを期待します。


ウイルスの「感染」予防は、手洗い、手指消毒、咳エチケット、そして3密回避です。
ウイルスに仮に感染してしまっても、「発症」予防、重症化させないために、ヨガピラティスをはじめとする運動、そして十分な栄養、十分な睡眠です。

新型コロナウイルス問題は長引く可能性が高いです。
急激に感染者数が増えている今現在は、外出を控えるという方針は妥当です。これ以上急増すると医療のキャパシティを超えて医療崩壊に至ってしまいます。そうすると本来助かる人さえ助からない状況になってしまいます。志村けんさんは最高の治療を受けながらも残念ながら亡くなりました。そうではなく、最高の治療などとても受けれずに、あるいは最高どころか何の治療も受けられずに(助かるはずの人が)亡くなってしまうのが医療崩壊です。残念ながら今は外出を控えた方が良いです。自粛によりコロナウイルスを撲滅するまでの必要はないのですが、急激な増加は避けなければいけません。
感染者数急増が山を越え、ある程度落ち着いた時期に必ず「まだ流行はしているけれど、活動自粛を緩める」状況が来ます。「Withコロナ時代」です。

「Withコロナ時代」では我々は、手洗い、手指消毒、咳エチケットを継続しつつもある程度は三密に晒される生活になります。したがって、予防措置を講じていてもどうしても感染してしまうリスクはあります。感染してしまった場合でも発症しない、重症化しない身体を作っておかねばなりません。長い目で見れば、ヨガピラティスで心身を鍛えておくことはウイルスに対し強力な防御になり得るのです。

ウェルビーイングクリニック駒沢公園 院長 布施淳

【期間限定】無料相談窓口 コロナ感染が不安な方へ
※循環器内科のウェルビーイングクリニックが無料で相談窓口を開設中
※診療予約はこちら

【参考文献】

(1) Xie X, Li Y, Chwang AT, Ho PL, Seto WH. How far droplets can move in indoor environments–revisiting the Wells evaporation-falling curve. Indoor Air. 2007;17(3):211–225. doi:10.1111/j.1600-0668.2007.00469.x
(2) Daikoku, T., Takemoto, M., Yoshida, Y., Okuda, T., Takahashi, Y., Ota, K., Tokuoka, F., Kawaguchi, A.T. and Shiraki, K. (2015). Decomposition of Organic Chemicals in the Air and Inactivation of Aerosol-Associated Influenza Infectivity by Photocatalysis. Aerosol Air Qual. Res. 15: 1469-1484. doi: 10.4209/aaqr.2014.10.0256.
(3) https://www.mod.go.jp/gsdf/chosp/page/report.html
(4) Lee HK, Hwang IH, Kim SY, Pyo SY. The effect of exercise on prevention of the common cold: a meta-analysis of randomized controlled trial studies. Korean J Fam Med. 2014;35(3):119–126. doi:10.4082/kjfm.2014.35.3.119
(5) Ukawa S, Zhao W, Yatsuya H, et al. Associations of Daily Walking Time With Pneumonia Mortality Among Elderly Individuals With or Without a Medical History of Myocardial Infarction or Stroke: Findings From the Japan Collaborative Cohort Study. J Epidemiol. 2019;29(6):233–237. doi:10.2188/jea.JE20170341
(6) Cohen S, Tyrrell DA, Smith AP. Psychological stress and susceptibility to the common cold. N Engl J Med. 1991;325(9):606–612. doi:10.1056/NEJM199108293250903
(7) Cohen S, Alper CM, Doyle WJ, Treanor JJ, Turner RB. Positive emotional style predicts resistance to illness after experimental exposure to rhinovirus or influenza a virus. Psychosom Med. 2006;68(6):809–815. doi:10.1097/01.psy.0000245867.92364.3c
(8) Kuppusamy M, Kamaldeen D, Pitani R, et al. Effects of yoga breathing practice on heart rate variability in healthy adolescents: a randomized controlled trial. Integr Med Res. 2020;9(1):28–32. doi:10.1016/j.imr.2020.01.006
(9) Gothe NP, Khan I, Hayes J, Erlenbach E, Damoiseaux JS. Yoga Effects on Brain Health: A Systematic Review of the Current Literature. Brain Plast. 2019;5(1):105–122. Published 2019 Dec 26. doi:10.3233/BPL-190084
(10) Morgan N, Irwin MR, Chung M, Wang C. The effects of mind-body therapies on the immune system: meta-analysis. PLoS One. 2014;9(7):e100903. Published 2014 Jul 2. doi:10.1371/journal.pone.0100903
(11) Gronesova P, Cholujova D, Kozic K, et al. Effects of short-term Pilates exercise on selected blood parameters. Gen Physiol Biophys. 2018;37(4):443–451. doi:10.4149/gpb_2018007
(12) Roh SY. The influence of physical self-perception of female college students participating in Pilates classes on perceived health state and psychological wellbeing. J Exerc Rehabil. 2018;14(2):192–198. Published 2018 Apr 26. doi:10.12965/jer.1836088.044

  • fb
  • tw
  • line