マインドフルネス瞑想は、ストレスや疲労感を軽減する。

ストレスや疲労感が解消される理由
マインドフルネスの基本的な考え方は、意識を「今、この瞬間」に集中させるということです。「今、この瞬間」の自分の体や心に意識を向けることで、ストレスや不安などから自分を解放できます。
なぜ、体や心に意識を向けることでそのような効果が得られるのかというと、疲れには体が感じる疲れだけではなく、思考や感情によって引き起こされる疲労も多いからです。
過去への後悔や、未来への不安で頭がいっぱいになってしまうと、必要以上にエネルギーを消耗し、疲れてしまうのです。そこで、余計なことを考えないよう、マインドフルネスではヨガや瞑想を実践し、「今、この瞬間」に意識をとどめます。
すると、今の自分に意識が向いている時は、ストレスや不安から解放されていることを感じられます。また、体や心の状態を観察することで、いつの間にか溜め込んでしまった疲れや、頑張りすぎている自分に気づくこともあるでしょう。
また、深い呼吸をすることで副交感神経が優位になるため、気持ちを落ち着かせリラックスする効果も認められています。不眠症で悩んでいる人にもマインドフルネス瞑想はおすすめです。
医療の現場や、世界的企業でも取り入れられている
マインドフルネスが世界中で実践されるようになったのは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン博士が、マインドフルネス瞑想を医療分野に取り入れたことがきっかけです。
最近では、AppleやGoogleといった大企業が、社員研修の一環としてマインドフルネス瞑想を導入。このようにマインドフルネス瞑想を取り入れる企業が、米国では全体の35%程度にまで達しています。
マインドフルネス瞑想には様々な効果が
マインドフル瞑想は、ストレスや疲労感の軽減以外にも様々な効果が得られると言われています。例えば、下記のようなものが挙げられます。
・集中力アップ
・うつ病やパニック障害の改善
・睡眠の質の向上
・不安の軽減
・感情コントロール力、メンタルの強化
・アンチエイジング効果
・ダイエット効果
1日数十分瞑想するだけで、これだけの効果が得られるとは驚きですね。
呼吸で自律神経をコントロールしよう
緊張や不安を感じる時、呼吸が浅くなっていると感じたことはありませんか?呼吸が浅くなると、体内に取り込む酸素量が少ないために集中力が低下したり、体が冷えたり、元気が出ないといった症状が起きやすくなります。
また、呼吸が浅い時は胸で呼吸をしている状態(胸式呼吸)になっていますが、胸式呼吸では、神経を興奮させる「交感神経」が優位になるため、焦りや不安の気持ちが強くなってしまいます。
「呼吸が浅くなっているな」と感じたら、大きくゆっくりとした腹式呼吸に切り替えましょう。腹式呼吸を繰り返していると、心身をリラックスさせる「副交感神経」が優位になるため、不安な気持ちも和らいできます。
マインドフルネス瞑想の実践方法
ここで、座って行う基本的なマインドフルネス瞑想の方法をご紹介します。
【まずは環境を整えよう】
・誰にも邪魔されず瞑想できる空間を見つけます。
・部屋は快適な温度に設定。アロマなどを利用するのもおすすめです。
・服は体を締め付けない、動きやすいものに。ゆったりとしたものが良いでしょう。
・時間を計りながら瞑想したい場合は、タイマーなどを用意します。
【座って行う瞑想方法】
1. 床に座布団やクッションを敷き、その上に浅く座ります。背筋はしっかり伸ばして座りましょう。
2. 両膝を床につけます。坐骨、両膝の3点で体を支えます。手のひらを上にして膝に置いてください。
3. 体を前後左右に揺らし、中心軸を探します。安定する位置が見つかったら、そこで姿勢を整えます。
4. 吸う息と吐く息、体の動きに意識を集中し、大きくゆっくりとした呼吸を繰り返しましょう。
【ポイント】
・呼吸はできれば腹式呼吸(息を吸う時にお腹を膨らませ、息を吐く時にお腹をへこませる)を。難しいようなら、自然な鼻呼吸を行いましょう。
・瞑想中、雑念が浮かんできてもOK。「雑念が浮かんだな」と気づき、すぐに呼吸と体の動きに意識を戻してください。
・最初は数分程度でもOK。少しずつ瞑想時間を伸ばしていきましょう。
まとめ
マインドフルネス瞑想は、椅子に座って行なっても良いですし、歩行瞑想や食べる瞑想など、様々な方法があります。最近では多くの書籍やYouTube動画などでもやり方が解説されています。ぜひ、参考にしながら実践してみてください。ストレスや疲労感が解消されるほか、集中力アップ、うつ病やパニック障害の改善、睡眠の質の向上、メンタルの強化など、様々な効果が期待できます。
また、さらに瞑想効果を高めるには、ヨガやピラティスを瞑想前に行うのがおすすめです。呼吸を取り入れながら、体を動かすことで雑念が取り払われ、よりリラックスした状態で瞑想に入れます。
心身の健康のために、ぜひ、瞑想を生活に取り入れてみてください。