マインドフルネスをもたらすヨガとピラティス

2021.01.26 マインドフルネス・瞑想

周囲の評価を気にせず、「今、この瞬間」の体験に意識を集中させるマインドフルネス。現代社会で避けられないストレスのマネジメント法として注目されています。

近年、医療現場や産業界でマインドフルネスの取り組みを取り入れる動きが活発化。ブームではなく、精神面からアプローチした健康維持・増進の手法として確立しつつあります。

 

経済産業省が推進する「健康経営」の指標の一つ

マインドフルネスは、もともと仏教的な瞑想に由来します。マサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジン教授が、同大にマインドフルネスセンターを創設し、1970年代の終わりから「マインドフルネスストレス低減法」を提唱し始めたことで、一躍注目を浴びるようになりました。

マインドフルネスとは、雑念を捨て、今の瞬間だけに気持ちを集中させる心理状態に持って行くこと。心理状態をマインドフルネスにすることで、客観的に自分を見つめ、不安やネガティブな気持ちを切り離すことが可能に。その結果、ストレスや脳の疲労を軽減できるようになります。

日本でも、ホスピスや緩和ケア、精神科・心療内科などでマインドフルネスの手法を導入する動きが見られます。

また近年では、産業界が社員の健康維持・増進を目的に、マインドフルネスの取り組みを実践するようになりました。その走りとなったのが、米国の大手IT企業。社員のストレス解消のためにマインドフルネス研修を導入。マインドフルネス研修を受けた社員は受けなかった社員と比べて、業務パフォーマンスが高まったことが確認されています。

日本でも社員の健康維持・増進を目的に、マインドフルネスの取り組みを導入する企業が増えてきました。

経済産業省が推進する「健康経営」は、社員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践するというもの。社員の健康に投資することは、社員の活力向上や生産性の向上をもたらし、その結果、企業の業績や株価の向上につながるという考え方です。

経済産業省は「健康経営」の優良事例である企業を対象に、認定事業を実施。「健康経営」の2020年度調査票には、マインドフルネスの実践も指標の一つに位置づけられています。

調査票の「メンタルヘルス不調の予防に関する取り組み」の質問項目として、「メンタルヘルスについての相談窓口の設置」などとともに、「マインドフルネスなどの実践支援(実施場所や実施時間の確保など)」を設定。国内の流通小売企業やIT企業などがマインドフルネスの手法を導入し、社員の健康だけでなく、業務の効率化が向上したという手ごたえを感じているようです。

 

ヨガ・ピラティス、「呼吸」と「集中」でマインドフルネスの状態に

マインドフルネスの実践には、ヨガやピラティスが有効と言われています。

現在普及しているヨガは、深い瞑想を導き出す姿勢と呼吸法をエクササイズに取り入れたもの。ヨガのポーズで行う瞑想には、もともとマインドフルネスの方法が内包されています。ヨガのポーズを取りながら、呼吸法と「今、この瞬間」に意識を集中させることで、マインドフルネスの心理状態に持って行きます。

ピラティスは、体の深層筋に気持ちを集中させながら行うエクササイズ。呼吸法と、一つひとつの動作に気持ちを集中させることにより、マインドフルネスの状態に近づいていきます。つまり、「動」を伴う瞑想が効果を生むわけです。

そうした効果を科学的に裏付けるため、マインドフルネスに関する研究が国内外で進行中。その一つ、ピラティスとマインドフルネスについて検証した米国の研究グループによる研究成果を紹介します。

研究は、10代~30代の女性を対象に、ピラティスエクササイズを行うグループとレクリエーションエクササイズを行うグループに分けて、総マインドフルネススコアを比較。その結果、ピラティスエクササイズのグループはレクリエーションのグループと比べて、総マインドフルネススコアが有意に高くなったと報告しています。

さらに、否定的気分スコアについても、ピラティスエクササイズのグループでは、時間の経過に伴って低下していく傾向が認められました。

仕事や日常生活で溜まるストレス。心をマインドフルネスの状態に近づけて心身ともに健康を維持するために、ヨガやピラティスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • fb
  • tw
  • line